絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
 いっぱい水を飲んだら、一応お腹は膨らんだ。言わずもがな、水っ腹というやつだ。
《ふみゃ~(はぁあぁ~。最上級のステーキなんて贅沢は言わないよ。せめて、ほかほかのごはんが食べたいなぁ)》
 連日の栄養不足でわたしの体力は限界だった。乾いた岩肌に背中を預け、頽れるようにコロンと小さく丸まった。
 そのままクテンとして、吹き抜けていくそよ風に身を委ねていたら――。
 ――ギュル、ギュルルルルル~。ピー、ゴロゴロゴロ~。
 ん!? 突如、お腹から不穏な音が大音量で鳴り響く。
《ふっ、ふみゃぁあっ(う、うわぁあんっ。お腹がイタイよーっっ!)》
 水の飲みすぎによる激しいお腹イタがわたしを襲った。
 ピョーンと飛び跳ねるように起き上がり、茂みにダッシュする。そうして茂みの向こう側で、わたしは大量のお花を摘んで、摘んで、摘みまくった。
 茂みから出てきた時、わたしはまともに立っているのも難しい状態だった。
 ……ぅうううっ、目の前がぐわんぐわんする。
< 14 / 252 >

この作品をシェア

pagetop