絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
 ……たしか、彼は騎士じゃなくて、王宮から派遣された書記官だってレリウスさまが言ってたっけ。
 こうして騎士団に向かってるってことは、今回もレリウスさまと一緒に出陣するのかな……あれ?
《ふみゃ(でもさ、なんであっちから来るんだろう? あっちって、繁華街に繋がる道だよね)》
 屋敷に向かう道すがら、レリウスさまは初めての王都に目を丸くするわたしにいろいろ話して聞かせてくれた。その中で、都市構造や治安についても触れていたのだ。
 なので、グレス書記官が王宮や王都の居住区に繋がる道ではなく、少々ガラの悪い繫華街の方からやって来たことに、わたしは僅かな違和感を覚えていた。
 ……って、今はそんなことより早く騎士団に行かないと!
 ハッと思い直したわたしは、くたびれた足を叱咤してペースをあげた。
 そうして辿り着いた騎士団の正門では、すぐ脇の守衛所に在中する騎士たちが、ひとりひとり入場者の確認をしていた。入場許可証と突き合わせながらの厳密な入場管理を見るに、ここから中に入るのは難しそうだ。
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