絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
 ポテンッと尻もちをつきつつ、なんとか着地成功。わたしはよろよろと立ち上がると、旗がたなびく尖塔を見上げた。
 よーし、こうしちゃいられない! 目指すは中央棟の最上階にある騎士団長室だ……!
 急げ、急げ~っ。わたしは短い足でダッシュしかけ――。
 ――ぐぅうう~っ。
 お腹から鳴り響く大合唱を耳にして足を止めた。
 ……そうだった。わたし、朝ご飯を食べないで出てきちゃったんだ。
 屋敷からずっと歩き通しで、疲労と空腹で目が回りそうだった。
 ちょっとの逡巡の後、わたしは行き先を変更し、くるりと体の向きを変えた。早くレリウスさまのところに行きたいのは山々だけど、ここはひとまず腹ごしらえから……!
 納品でバタつく周囲を尻目に厨房に忍び込むと、既に昼食用の総菜が何品か出来上がり、調理用バットの上に山盛りになっていた。
 うわぁあっ、おいしそうっ! どれにしよう!?
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