絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
 ラッキーなことに、料理人たちは全員納品された食料品の整理に向かったようで、わたしは無人になった厨房でひとり目をキラキラさせながら惣菜の物色を始めた。
 ……あ、まずはアレ!
 喉がカラカラだったわたしは、真っ先に野菜のゼリー寄せに目をつけた。しかも、ゼリー寄せは一個ずつ小分けの容器に流して固められており、取りやすそうだった。
 やったね! わたしは後ろ足で背伸びして立ち上がると、両方の前足で一番手前の容器をわしっと掴み、落とさないようにそっと下ろした。
 よーし、取れたぁ! どれどれ……?
 コトンと床に置き、お座りの体勢になって、改めて容器の中を見下ろす。赤と黄色のパプリカにブロッコリー、プリプリのエビが透き通るゼリーで固められ、とっても彩り豊かだった。
 うわぁ~、すっごくカラフルでおいしそう! いっただっきまーす!
 本当なら平皿にパカッとあけてから食べたいところだけど、今は言いっこなしだ。わたしはさっそく容器にガボッと顔を突っ込んで食べ始めた。
 わぁ~っ! これ、めっちゃうまっ! 
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