絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
体力の限界で、目の前の景色が撓む。わたしはヨロヨロと沈み込むように地面に体を伏した。
――カサッ。
うしろで草を踏む足音があがる。
なけなしの力を振り絞って振り返ったら、一匹のネコがこちらを見つめていた。相変わらず視界は霞んでいたけれど、彼女のことだけは気配ですぐにわかった。
《みゅー(おかーさん)》
わたしによく似た白銀の毛をしたそのネコは、わたしを捨てた母ネコだった。
《ニャー(まったく、馬鹿な子だよ)》
母ネコはわたしの元へ歩み寄ると吐き捨てるように言い、銜えていたなにかをポイッと放って寄越した。ポトンという音がして、わたしの鼻先になにかが落ちた。
……これ、なぁに?
いまだ、視界はぼやけていた。
《ニャー(それ以上頑固を突き通すと本当に死んじまうよ。仲間たちには内緒で、お前のために取ってきたんだ。いいから、それをお食べよ)》
霞む目を何度かパチパチさせていたら、母ネコが寄越したそれに段々とピントが合ってきた。
《ふ、ふみゃあああっ(い、いやぁあっ! ネズミっ!!)》
――カサッ。
うしろで草を踏む足音があがる。
なけなしの力を振り絞って振り返ったら、一匹のネコがこちらを見つめていた。相変わらず視界は霞んでいたけれど、彼女のことだけは気配ですぐにわかった。
《みゅー(おかーさん)》
わたしによく似た白銀の毛をしたそのネコは、わたしを捨てた母ネコだった。
《ニャー(まったく、馬鹿な子だよ)》
母ネコはわたしの元へ歩み寄ると吐き捨てるように言い、銜えていたなにかをポイッと放って寄越した。ポトンという音がして、わたしの鼻先になにかが落ちた。
……これ、なぁに?
いまだ、視界はぼやけていた。
《ニャー(それ以上頑固を突き通すと本当に死んじまうよ。仲間たちには内緒で、お前のために取ってきたんだ。いいから、それをお食べよ)》
霞む目を何度かパチパチさせていたら、母ネコが寄越したそれに段々とピントが合ってきた。
《ふ、ふみゃあああっ(い、いやぁあっ! ネズミっ!!)》