絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
目の前でグロテスクな様相を呈したネズミの死骸に、わたしは半狂乱で叫んだ。飛び退く体力はなかったけれど、鼻先が触れる近さにあるそれがどうにも我慢ならず、反射的に右前足の爪でシャッと引っかけるようにして放っていた。
ネズミの死骸は、放物線を描いて岩と岩の裂け目に落ちていった。
《クシャーッッ(せっかく取ってきてやったのに、なんてことをするんだ……っ! この、親不孝者がっっ!!)》
全身の毛を逆立てながら、母ネコは憤怒を燃やしてわたしを睨みつけた。
その目には薄く涙の膜が張っていた。それを見るに、怒りだけではない悲しみや、わたしへのやるせなさ、そんな彼女の胸の内が透けて見えた。
《ふみゅ(お、おかあさん。ごめ――)》
――トンッ。
わたしは震える声で母ネコに謝罪を口にしかけるが、その声を遮るようにして一匹のヤマネコがひと際大きな体を揺らしながら、わたしと母ネコの間に割って入った。
さらに、そのヤマネコの背後には、一定の距離を置いて多くの仲間たちが控えていた。
ネズミの死骸は、放物線を描いて岩と岩の裂け目に落ちていった。
《クシャーッッ(せっかく取ってきてやったのに、なんてことをするんだ……っ! この、親不孝者がっっ!!)》
全身の毛を逆立てながら、母ネコは憤怒を燃やしてわたしを睨みつけた。
その目には薄く涙の膜が張っていた。それを見るに、怒りだけではない悲しみや、わたしへのやるせなさ、そんな彼女の胸の内が透けて見えた。
《ふみゅ(お、おかあさん。ごめ――)》
――トンッ。
わたしは震える声で母ネコに謝罪を口にしかけるが、その声を遮るようにして一匹のヤマネコがひと際大きな体を揺らしながら、わたしと母ネコの間に割って入った。
さらに、そのヤマネコの背後には、一定の距離を置いて多くの仲間たちが控えていた。