絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
 彼にはやむにやまれぬ事情が――妹さんの存在があった。その妹さんのためにも、コリンは決してこんなところで犠牲になってはいけない――!
 グッと噛みしめた奥歯が軋んだ。
 ……悪事の限りを尽くし、挙句その尻ぬぐいすらしようとせず自分たちは安全な場所に逃げ、代わりに配下の者に血を流させる。ワーグナー筆頭大臣やグレス書記官を絶対に許せない。
 わたしに、なにができる……!? レリウスさまたちの窮地を見ているだけなんて、そんなのは嫌!
 その時、わたしの思いに応えるように月が発光を強くする。同時に、わたしの体中で月のエネルギーがあふれそうなくらい膨らむのを感じた。
 ……そうか、わたしには月の魔法があるじゃない!
 わたしはこれまで、日常の中で汚れた物を綺麗にする目的でのみ月の魔法を使ってきた。逆にいえば、それ以外の使い道を見いだせなかったのだ。
 だけど、月の魔法の本領はそんなものじゃない。今こそ、月の魔法の浄化作用をフルに活用する時だ――!
< 184 / 252 >

この作品をシェア

pagetop