絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
 まさか投降者が続出し、俺たちは一気に優勢に転じていた。
 さらに、最終的に半数ほどに数を減らした私兵らも明らかに戦意を喪失しており、既に俺たちの敵ではなかった。
「この機を逃すな! 屋敷まで一気に切り込むぞ!!」
 疑問は尽きないが、今は天からもたらされた幸運を生かし、勝利を手にすることだけに意識を集中させた。
「ゥオオオオッ!!」
 征伐隊は鬨の声をあげ、ワーグナー筆頭大臣の私兵団を一網打尽にしていった。
 その勢いのまま、俺たちはついに屋敷内へ切り込んだ。しかし、部屋という部屋を片っ端から捜索しても、一向にワーグナー筆頭大臣の姿が見あたらない。
「隈なく捜せ! 先に捕縛した側近らの証言では、いまだ大臣は屋敷内にいるはずだ!」
 その時、大臣の政務室を捜索していた隊員のひとりが、政務机の下を指差しながら声を上げた。
「騎士団長、床に僅かな突起があります。隠し扉かと思われます!」
「なんだと!?」
< 191 / 252 >

この作品をシェア

pagetop