絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
 駆け寄って突起を摘まみ上げると、床板が外れ、少し下った先に人ひとり通るのがやっとの細い通路へと繋がっていた。
 ユーグと目配せし、俺は隊員らに指示を叫びながら通路へと身を滑らせる。
「半数の隊員は俺と共にここからワーグナー筆頭大臣の捜索に! 残る隊員はユーグをリーダーとし、継続して捕縛者の監視と負傷者の救護、投降者への対応等、この場の管理統制にあたれ!」
 俺に続き、隊員らが次々と通路に降り立つ。
 残る捕縛対象は黒幕であるワーグナー筆頭大臣ただひとり。絶対に、逃がしてなどやるものか――!
「全員そろったな、行くぞ! 後に続け!」
「ハッ!」
 逸る思いで、先頭に立って通路を駆けだした。

 隠し通路は、ワーグナー筆頭大臣邸の敷地を囲う垣根の外に通じていた。
 石のモニュメントの裏に巧妙に隠された出入口は、実際にそれと知らなければまず気づくことはないだろう。
「こんなところに通じていたか」
< 192 / 252 >

この作品をシェア

pagetop