絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
 なぜか、騎士団員に支給される共通のマントにすっぽりと身を包んだ少女。その少女の顔を間近に見て、俺の胸に真っ先に湧きあがったのは驚きだった。ただし、ここでの『驚き』は単に少女との奇跡的な再会を指すものではない。
 白銀の髪をなびかせた美貌の少女は、たしかに小屋で遭遇したあの少女なのだ。しかし、少女の身には常識では測れない変化が起こっていた。
 瑞々しい肢体はスラリとして細いが、あの時よりやわらかなまろみを帯びて女性らしくなった。身長も伸び、今は閉ざされた目もとから頬、顎へと続くラインが大人っぽくなっている。少女から女性へと、まるで硬く結ばれていた蕾が花開くかのように艶やかな変貌を遂げていた。
 ……あり得ない。だが、確実に成長している――!
 前回出会った時、十四、五歳くらいだった少女は、今やカインザー王国の成人である十六歳程度にまで、明らかに年単位の成長をしていた。いくら成長期とはいえ、ひと月足らずでこの成長はあり得ない。
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