絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
 件の寝床をチラッと振り返り、わたしがう~んと小首を傾げていたら――。
「わっ?」
 突然、後ろからすっぽりと抱きすくめられて、レリウスさまの人肌の温もりと香りに包まれる。
「俺は以前、君に飼い主としての立場から『自由でいい』と言った。だが、夫としての俺は、君が寒さに震えるのも、硬い地面の上で休むのも到底見過ごせない。もちろん、狭いソファの上ももっての外だ」
 耳元にかかるレリウスさまの吐息がこそばゆい。ほっぺたが一気に熱を持ち、心臓が駆け足になった。
 ……ひぇええ。こんなんじゃ、ひと晩中ドキドキしちゃって寝れないよぉ。
「そ、それじゃあ、わたしは客間のベッドで……」
「だーめーだ。ルーナは我が家の客ではなく、俺の妻だからな。夫婦は同じベッドで眠るものだ」
「そんなぁ」
 ぷぅっとほっぺを膨らませていたら、後ろでレリウスさまがフッと微笑む気配がした。
 ……チェッ。なんだか、レリウスさまばっかり余裕な感じでズルいんだ。
 わたしの肩に回っていたレリウスさまの腕が離れたと思ったら、背中と膝裏にあてられる。
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