絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
 一般的なネコの寿命は長くても十五年くらい。野生のネコならば、寿命はもっと短い。レリウス様は私の寿命を、これらネコの基準で考えているのだ。
 ……嘘でしょう。わたしって人型になれてるけど、そんなにあっけなく死んじゃうの? そんなに短い人生、悲しすぎるよ……っ!
 自分の寿命なんて考えたこともなかったが、突きつけられた現実は無情だった。
 ポロポロと涙をこぼし始めたわたしに、レリウス様は驚いたように目を見張った。
「おいルーナ、急にどうしたんだ!?」
 まるで、天国から地獄に突き落とされてしまったみたいだった。
「ぅううっ……っ」
 あふれる涙が止まらなかった。
『大丈夫よ』
 その時、頭の中にやわらかな女の人の声が響いてきた。
「えっ!?」
『あなたはこれからは、人間の姿を基準にして 年を重ねていくのよ』
「あなたは誰!?」
 まばゆい白銀の光に包まれた女性の顔はわからない。だけど、まとうオーラがとても優しくて、どこか懐かしいものを感じた。
「おい、ルーナ? いったい誰と話している?」
< 227 / 252 >

この作品をシェア

pagetop