絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
「レリウス騎士団長、この森に魔物が出現するというのが問題なのであって、道云々はどうでもよいのです。以前通行した時に無事だったからと言って、今回も無事に森を出られるとは限りません。魔物は神出鬼没と言い伝えられておりますし、万が一の事態を考えれば、やはりこの森は迂回すべきでは……?」
察しのいいユーグは俺の意図するところをすぐに理解したようだったが、グレス書記官は震える唇で俺に正規ルートでの帰国を提案してきた。
「はははっ! 魔物など、そんな非科学的なものが存在するわけがない」
きっぱり言い切った俺に、グレス書記官は不服そうな表情を見せた。
「しかし、古文書には人間が魔法を使っていたという記述がたしかに残っています。ならば、魔法を使う人間以外の生き物――魔物がこの森にいたとしても、なんら不思議はありません」
「グレス書記官。古文書が事実のみを綴っているとは限らんぞ。それこそ伝記として現代に残っている書物とて、多分な誇張や創作で盛られていることがほとんどだ。その古の書物も、創作話の類なのかもしれん」
察しのいいユーグは俺の意図するところをすぐに理解したようだったが、グレス書記官は震える唇で俺に正規ルートでの帰国を提案してきた。
「はははっ! 魔物など、そんな非科学的なものが存在するわけがない」
きっぱり言い切った俺に、グレス書記官は不服そうな表情を見せた。
「しかし、古文書には人間が魔法を使っていたという記述がたしかに残っています。ならば、魔法を使う人間以外の生き物――魔物がこの森にいたとしても、なんら不思議はありません」
「グレス書記官。古文書が事実のみを綴っているとは限らんぞ。それこそ伝記として現代に残っている書物とて、多分な誇張や創作で盛られていることがほとんどだ。その古の書物も、創作話の類なのかもしれん」