絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
「ふむ。騎士団側が問題にしないとなると、王宮側だけが責任を追及するわけにもいかんな。……まぁ、いいだろう。少々骨が折れるが、不問の方向で他の大臣連中にも掛け合ってみよう」
「恩に着る」
《ふみゃあっ(やったーっ! 王様、ありがとう!)》
 わたしが歓喜の声をあげたら――。
「……ほぅ。なかなかかわいい声で鳴くのだな」
 王様が再びわたしに目線を合わせ、興味を引かれた様子でつぶやいた。
「やらんぞ。それ以上見るな、ルーナが減る」
 言うが早いか、レリウスさまは王様に背中を向けてわたしの姿をその巨体に隠した。
「そんなふうに独占欲を剥き出しにするお前を見る日が来ようとは思ってもみなかった。レリウス、今度夜に茶会の席を設ける。その時は、人間の姿のルーナ嬢を連れてこい」
「もし、気が向いたらな。それじゃあな、マリウス」
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