絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
 俺が「うまくとはどういう意味だ?」と尋ねるよりもひと足早く、すかさずユーグが口を開いた。
「いいですか? 少なくとも今のような状況なら、ひとまず魔法や魔物の存在は濁し『なに、魔物が出たとて俺が一刀両断にしてくれる!』くらいのテンションで〝魔窟の森〟横断を強行してしまうのが最善だったかと。そうすれば無駄な軋轢も生まず、勢いのまま森に進めていたことでしょう」
「う、うむ」
 まさか、そんな受け答えがあったとは……。ユーグの回答に目からウロコが落ちる。
「まぁ、冷静に考えれば熊やイノシシだって素手で伸してしまえるレリウス様ですし、他国ではレリウス様こそが『カインザー王国の魔物』なんて呼び名で恐れられてるくらいです。この森に住まう全ての生物にとって、あなたこそが脅威って話ですけどね」
 ずいぶんな言われようではあるが、おおよそ的を射た発言でもある。
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