絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
 ブラシはもつれた毛を優しくキャッチし、そっとほどきながらゆっくりと進んでいく。ブラシが通ったところが、ふんわりとやわらかになっているのが見なくともわかる。
 はわぁ~。これ、めっちゃ気持ちいい~。
 しかもレリウスさまは、力加減がこれまた絶妙。皮膚にかかるほどよい圧が、蕩けちゃいそうに気持ちよかった。
 はひゃ~。もしかして、ここは天国かしら。
「具合はどうだ?」
《ふみぃ~(はい~、そりゃあもう極楽ですとも)》
 レリウスさまの丁寧なブラッシングを受けていると、わたしはあっという間に夢心地になってしまう。
 まぶたがとろんと重くなり、うつらうつらと舟を漕ぎだした。
「ルーナは本当に利口だな。たまに俺の言葉がすべてわかっているんじゃないかと思うことがあるぞ。もしかして、本当はわかっているのか? なぁ、ルーナ?」
《みぃ~(なぁ~に~? ねむねむで、ちょっとよくわかんないよ)》
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