【完結】身代わり婚〜私、姉の代わりに結婚します〜
「裕太さん、一つ聞いてもいいですか……?」
私は裕太さんに一つ質問することにした。
「うん、何かな?」
「裕太さんは愛莉のこと……愛していましたか?」
そう訪ねた私に、裕太さんは「愛してたよ、すごく。……愛莉は俺にとって、本当に大切な人だったから」と言った。
「……裕太さん、愛莉のこと……愛してくださって、ありがとうございます」
愛莉はこんなに愛されて、きっと幸せだったと思う。 こんなに大切にしてもらって、幸せ過ぎたと思う。
「今でも俺は、愛莉のことを愛してるんだ。 たまにふとした瞬間に、愛莉のことを思い出すんだ。愛莉の寝顔とか、笑った顔とかさ。……やっぱり思い出すと、すごく辛いものだね」
裕太さんのその言葉に、私は何も言えなかった。……そうだ。愛莉がいなくなって辛いのは、私だけじゃないんだよね。
裕太さんだって、こんなにも辛かったーーー。
「裕太さん……」
「愛南ちゃん、君が愛莉なら良かったのに……なんて思ってはイケないんだけど。 君と愛莉は双子だし、同じ顔をしている。 今目の前にいるのが、本当は愛莉なんじゃないかって……今でも、そう思ったりするよ」