【完結】身代わり婚〜私、姉の代わりに結婚します〜
十一【紡ぐ幸せの中で】
「なあ、愛南」
「ん?」
「新しいウェアのサンプル出来たってさ。さっき届いた」
「あ、この前のヤツ?」
裕太さんが髪を切りに来る数日前、改良したジム用のウェアの新しいサンプルが出来たとのことで、またそれが家に届いた。
「そうそう。 早速改良してくれたみたいだよ」
「へぇ。そうなんだね」
裕太さんのジムがオープンするまで後三ヶ月ほど。それまでにウェアを完成させたい所だ。
「デザインはこれでOKもらえたの?」
「ああ、デザインはこれでいいって、ジムのメンバーからも本社からも許可を得られたってさ」
「へぇ。良かったね」
「ああ、良かったよ」
裕太さんのデザインが採用されたことは、とても喜ばしいことだ。
「……もしかして、また?」
「そのとおり」
「やっぱり……」
私たちは再び、ウェアの着心地を確かめるため着替えてみる。
「愛南、サイズ感どう?」
「サイズ感ちょうどいいかもです。通気性もちょっと良くなってるような……?」
前より確実にサイズ感が良くなってるような気がする。やっぱりこの辺も改良してくれたからかな?
「裕太さんはどう?」
「俺のも結構イイ感じかも。 前より着やすい気がする」