【完結】身代わり婚〜私、姉の代わりに結婚します〜
そこで裕太さんのトレーナーをしてくれていたのが、神谷さんらしい。
それ以来、もう六年ほどの付き合いだとか。
「なあ、裕太」
「ん?」
「あのウェア、入会特典として今回プレゼントしたんだけどさ、めっちゃ好評なのよ。マジでありがとうな」
「そんなのいいって、神谷」
裕太さんと神谷さんは、本当に仲がいいんだな。親友って感じがする。
「そうそう、二人結婚式やるんだろ?」
「ああ、やるよ」
「俺も招待しろよ?絶対に行くから」
神谷さんの言葉に、裕太さんは「もちろん、呼ぶに決まってるだろ? お前は大事な友人なんだから」と微笑みを見せる。
「ありがとう。 またジム通うなら、俺が徹底的にトレーニングしてやるからよ」
「考えとく」
そんな二人の会話に、私は思わず「あ、あの……私、通いたいです」と口を挟んでしまった。
「愛南?」
「私……結婚式までに、その、ダイエットしたくて」
ウェディングドレスを着るなら、尚更もっとキレイになりたいから。もっとキレイな私でいたい。
「愛南はそのままでいいと思うけどな」
と言われたけど、やっぱり今よりもっと痩せてキレイな状態でドレスを着るのが理想だ。
結婚式なんて、一生に一度しかないのだから。