【完結】身代わり婚〜私、姉の代わりに結婚します〜
そして神谷さんは、嬉しそうに裕太さんを見つめている。
きっと神谷さんにとって、裕太さんは最高の親友なんだ。 大切な親友の結婚式なのだから、幸せで嬉しいに決まっている。
「愛南……すごくキレイだ」
「……ありがとう」
裕太さんと二人で選んだウェディングドレス。きっと、愛莉も「キレイだね、愛南」と言ってもらえる気がする。
優しい笑顔で、「本当にキレイだよ、愛南!」と褒めてくれそうな気がする。
本当に褒めてくれるのかは、分からないけど、きっと嬉しくて泣いてくれるんじゃないかなーとか、そんなことを思ってしまう。
愛莉は本当に優しかったから、私にも家族にも、友達にも、とにかく優しい人だった。
愛莉は人気者だったから、内気な私と違って社交的で、みんなから人気があった。
そんな真逆な私たちだったけど、私は愛莉のことが大好きだった。
双子だったから、姉妹みたいに笑い合えたり、時にはくだらないことで言い合いをしたり、ケンカをしたりしたけど、やっぱり私のよき一番の理解者は愛莉だったよ。
愛莉にもう会えなくなってしまって本当に寂しいけど、私たちの心の中に愛莉はずっといる。
決して忘れることのない、大切な存在だからね。だから愛莉も、私たちのこと忘れないでよね。