【完結】身代わり婚〜私、姉の代わりに結婚します〜
こうして生きていく中で、私は幸せだと思える瞬間がいくつもあった。
ただその幸せは、本当に幸せと呼べるものなのか、分からなかった。
愛莉が亡くなったあの日から、私たちの人生は大きく変わった。 それでも私たちは、お互いに手を取り合い、悩んで悩んで悩みまくって、こうして今日まで生きてきた。
私は美容師という仕事を生き甲斐にして、裕太さんはイラストレーターという仕事を選んでやってきた。
そんな平和な暮らしを紡いできた私たちが、こうして改めて幸せという物語を作ってくれたのは、紛れもなく愛莉という存在がいたからだ。
私は愛莉に対して悪いことをしたと思ってるし、罪悪感だって感じていたけど、愛莉は優しいから、きっと私たちの幸せを願ってくれることだろう。
私も裕太さんも、愛莉のことがずっと大好きだから。向こうで愛莉が幸せになってくれることを、私たちはずっと願っている。
心から愛おしい人と思える人と出会えることは、まるで奇跡だ。
こんな奇跡、これからだってきっとない。 愛おしいと思える人がいるって素晴らしいことだと思うし、それは本当に大きな宝物になる。
家族という素敵な宝物を手にした私は、本当にいい人生を歩んでいると思う。 愛莉のことも大切で、ずっとずっと家族だから。