【完結】身代わり婚〜私、姉の代わりに結婚します〜
後悔しないかと言われたら、そんなのは分からない。
「……愛南ちゃん、俺は君を身代わりにしたいなんて思っていないよ。 君は君だしね」
「はい。……ですよね」
やっぱり私は、間違っていたんだ……。こんなことをしても、なんの意味もない。
何も解決しないんだ。裕太さんにただ、迷惑をかけただけ。
そんなのは愛でも、何でもないんだよね。愛莉みたいになれないのを分かっているから、おかしなことを言っただけ。
「……愛莉のことは、今でも愛しているんだ。 でも愛南ちゃんは愛南ちゃんだから、身代わりには出来ない。 ごめん」
「ですよね……。変なことを言ってすみません」
私はどうかしてる。……裕太さんを困らせたかった訳じゃなかったのに、結果的に困らせてしまった。
本当に申し訳ないな、と思っている。
「愛南ちゃん、俺と結婚する?」
「……え?」
突然の裕太さんの言葉に、私は思わず顔を上げた。
「って言ったら、どうするつもりだった?」
そう問いかけられ、私は顔を上げた。
「……はい。 します、結婚」
「え!?」
「私……。裕太さんと結婚、します」