【完結】身代わり婚〜私、姉の代わりに結婚します〜
「さすが双子ね。同じ名前の人と結婚するなんて……。奇跡としか、言えないわね」
「違うの……!お母さん……」
私は思わず、否定した。
「え? 違うって……?」
「私が結婚するのは……愛莉の結婚するはずだった、裕太さんなの……」
私がそう伝えると、お母さんは「え……。愛莉の、結婚相手……?」と私を見た。
「うん。……そう、その裕太さん」
「え……。どういうこと? どうして愛南が、愛莉の結婚相手と結婚するの……?」
お母さんの表情は、とても驚いていた。それはそうなるのは、当たり前だと思うけど……。
「うん。……私も実は、裕太さんのこと好きだったんだ」
私はお母さんに、そうウソをついたーーー。
「……あなたも、愛莉と同じ人を好きになったの?」
そうウソを付かないと、いけないと思った。 それで罪悪感を感じてるのかなんて、分からないけど。
「……うん。 私から、裕太さんに結婚しようって言った」
「なんで、なんでそんなこと言ったの……愛南?」
お母さんからそう問いかけられ、私はこう答えた。
「……私が裕太さんのそばに、いたいって思ったからよ。支えたいって、そう思ったから」