【完結】身代わり婚〜私、姉の代わりに結婚します〜
妻だと紹介されるのはちょっと戸惑いがあるけれど、それがこれからは当たり前になるんだよね……。
私たちは夫婦になったんだから、何でも二人で協力し合っていかないとだよね……。
「そうだ。君は俺の妻だからな」
「……はい。私はあなたの、妻ですもんね」
私はこれから、裕太さんの妻として生きていくの。……幸せになるために、少しずつ努力していくの。
裕太さんとの幸せな未来を描くために、私は妻して裕太さんのそばにいる。
「愛南、結婚指輪……買わないとな」
「結婚指輪……?」
そうか……。結婚した夫婦は、結婚指輪してるものだもんね。
「愛莉には……結婚指輪、買ってあげられなかったからさ」
「……え?」
裕太さんは、ふと歩いていた足を止めた。
「だから愛南には、結婚指輪をプレゼントするよ。……愛莉に渡せなかった、結婚指輪を」
「裕太……さん……」
愛莉がもらえなかった結婚指輪を、私がもらっていいのだろうか……。
愛莉がもらうはずだった結婚指輪を、私がもらっても、本当にいいのかな……?
「結婚指輪、一緒に選びに行こうか」
「……一緒に?」
「ああ、夫婦の証だから」