【完結】身代わり婚〜私、姉の代わりに結婚します〜
「ウソッ……」
愛莉は死んで、私だけが助かったの……?
「……愛莉は……即死、だったって」
そう言った母親の一言で、私は絶望に立たされた。
愛莉が、死んだ……? 私のせいで……?
「っ……なんで……っ」
なんで私のことなんて、庇ったのよ……。愛莉には、これから幸せが待ってたんだよ……?
なのになんで……?
「私のせいだ……」
「愛南……?」
「私の、せいだよね……」
私がもしあの日、一緒に買い物に行こうなんて言わなければ……。そうしなければ、私たちはこんなことにはならなかった。
もしあの時、買い物に行ってなければ、愛莉は死ぬことはなかったーーー。
「愛南……あなたのせいじゃないわ……!」
そう言って抱き締めてくれる母親だったけど、私は泣きながらベッドの布団をぎゅっと握りしめるしかなかったーーー。
「お母さん……。私っ……ごめんなさい……」
「愛南……あなたのせいじゃないからね」
私を抱きしめる母親の声が、震えていることも気付いていた。
私のせいで愛莉は死んでしまった。……そう思うだけで、罪悪感と後悔が生まれた。
ごめんね、愛莉ーーー。ごめんねーーー。