【完結】身代わり婚〜私、姉の代わりに結婚します〜


 愛し合って結婚した訳じゃないのに、裕太さんと一緒にいるだけで心が優しくなるし、心が温かくなる。
 これが愛なのか分からないけど、きっと愛莉ならそう言うかもしれないな。これが裕太さんからの愛なんだよって、愛莉は教えてくれているのかもしれない。

 愛莉が何を思って、裕太さんに何を求めていのかなんて分からないけど、私は裕太さんに感謝してる。
 裕太さんと結婚して良かったと、素直に思える。これが夫婦なんだ、と教えてくれるのは裕太さんだから。

 お風呂から上がりドライヤーで髪を乾かしていると、裕太さんがお風呂場のドアを開けた。

「ごめん、いたんだ」

「ううん。もう出たから」

 裕太さんはいつも私に気を遣ってくれていた。私がお風呂場から出るまで、待っててくれている時が多い。

「出たら言って」

「ううん。いいよ、もう入っても」

「分かった」

 裕太さんは遠慮してくれる時が多いけど、大丈夫だと言えば返事をする。

「俺まだ仕事あるから、先寝ててもいいから」

「そう?……分かった」

 裕太さんは忙しいから、寝るのがいつも夜中なんだよね。だからか、身体が心配だよ。
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