【完結】身代わり婚〜私、姉の代わりに結婚します〜
「愛莉……愛莉は、私のこと恨んでる……?」
愛莉は私を庇ってくれた。 だけど私だけ生き残ってしまったから、愛莉はきっと私のことを恨んでるかもしれない。
愛莉は、私が死ねば良かったのになんて、そう思ってる……?
もしそうなら……ごめんねーーー。
「愛莉の人生……壊してごめんね……」
愛莉には楽しくて幸せな日々が、待っているはずだった。
だけどそれを壊したのは、紛れもなく私。……私が死ねば良かったのに。そうしたら愛莉は、今頃幸せになれていた。
大好きな裕太さんと、幸せになれていた。裕太さんと結婚して、子供が出来て……。
だけどそんなことがもう出来ない。愛莉はもう……この世にはいないんだ。
「愛南……」
「お母さん……っ」
お母さんの目が、涙で赤くなっていた。相当泣いたのだと思う。
「愛南は……生きててくれて、ありがとうね」
母親のその一言は、私に対する愛情だった。
「……え?」
「愛南まで失ってたら……お母さん、きっと耐えきれなかったと思うから」
どうしてお母さんは、私を責めないの……?
どうして私に、そんなことを言ってくれるの……?