【完結】身代わり婚〜私、姉の代わりに結婚します〜
それはきっと……私が裕太さんのことを好きだからだ。
私は裕太さんのことが好き。本当に、好きになってしまった。
「裕太さん……私、あなたが好きです」
ベッドの上でこんなふうに告白するなんて、私は何を考えているのだろう。
でも抑えきれないその気持ちが、私の思いのフタを開けてしまったんだ。
「好きです、裕太さんっ……」
裕太さんがずっと想っているのは、愛莉の方で、私はただの身代わりになっただけの妻。
双子であることを利用したのも、この私。好きになるなんておこがましいことだとは、分かっている。
それでも私は、裕太さんのことが好き。一人の男性として、夫として、好きなのだ。
でも裕太さんは前、私に「好きになってくれたら嬉しい」と言ってくれたことがあった。
「夫婦になるんだから、お互いを愛するくらいの気持ちじゃないと、本当の夫婦にはなれないと思う」
私たちが結婚する時、裕太さんは私にそう言ってくれた。
だから私は、信じてみたい。裕太さんのその言葉をーーー。
「私はあなたと……本当の夫婦になりたいの」
裕太さんのその表情は、複雑そうにも見えるような気がした。
「……それじゃ、ダメかな?」