【完結】身代わり婚〜私、姉の代わりに結婚します〜
「……もっと早く、君に好きだって言えば良かったね」
「え……?」
裕太さんは私の頬の涙を軽く拭う。
「好きだよ、愛南。……俺も、君が好きだ」
その言葉をくれた裕太さんは、そっと私にキスを落としてくれた。
甘くて優しいキスをーーー。
「ありがとう……嬉しい」
裕太さんを好きになることは、愛莉に対する罪になってしまうかもしないと考えていた。
でも一緒にいるうちに、私はどんどん裕太さんのことを好きになっていった。
その気持ちを抑えたいと思っていたけど、抑えるなんて出来ないんだって分かった。
いつかこんな日が来てしまうだろう。……そう思うだけで、私は胸が張り裂けるように痛かった。
「愛南、これからもっと、俺を愛してくれる?」
その答えなんて……。
「……うん」
その答えなんてもう、私の中ではとっくに決まっている。
愛莉には本当に申し訳ないと思っている。愛莉はこんなことになって、怒っているかもしれない。
でもこれは、人間の本能だ。本能には抗えないものなんだよ、愛莉……。
「愛南……」
「ん……裕太さんっ……」
私はその日、ベッドの中で甘く、熱情的に裕太さんに抱かれたーーー。