【完結】身代わり婚〜私、姉の代わりに結婚します〜


「裕太さん……ありがとう」

「ん?」

「こんな私と結婚してくれて、どうもありがとう」

 愛莉の身代わりになんて提案した私を、裕太さんは受け入れてくれた。
 
「俺の方こそ、ありがとう」

「……私、あなたと結婚してから色んなこと教えてもらったんだ」

 恋という素敵な感情を教えてもらって、私は生まれ変わった。

「それは、俺も同じだよ」

「うん」

 私たちは夫婦になってまだ一年だけど、これからたくさん楽しいこともしたい。






「うわ……美味しそう」

「美味しそうだな。 さ、早速食べようか」

 結婚記念日の日に、裕太さんはとても素敵なレストランを予約してくれた。
 前菜のサラダも美味しかったけど、メインのステーキも美味しそうだ。

 食べる前にステーキの写真を撮って、ナイフとフォークを手に取る。
 ナイフを入れるとスッと入って、ナイフを入れるだけで柔らかいのが分かる。

「ん、美味しい!お肉柔らかいね」

「美味いな。確かにお肉柔らかいな」

「ね、このソースも美味しい」

 お肉柔らかいし、脂の感じもちょうどいい。

「美味しい……。なんか幸せだね」

「愛南の美味しそうな顔見てると、こっちまで幸せになるよ」
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