一途な部長は鈍感部下を溺愛中
願い事は、すんなりと出てきた。
まだ駆け出し始めたばかりの恋だけど、与えられる愛を、優しさを、ひとつ残らずすくい上げて、大事に抱えて歩んでいこう。
同じだけの想いを、彼に返せるように。伝えられるように。
まずは、ちょこっとだけ不安そうにこちらをチラ見してくる彼に、住む場所から決めないとですね、って声を掛けて。
そう伝えた後の、彼のはにかむような笑顔を思い浮かべて、私はひとり口元を緩めるのだった。