【短】恋するうさぎとズルいオオカミ。
それだけなのに、心臓の音が加速する。
「動物はあんまり興味ないかな」
その答えに、ズシンと体が重くなった。
ただの好みの質問。別に深い意味なんて、ない。
「っ、あー……そうなんですね」
それなのに勝手にショックを受けるわたしはどうかしてる。
あぁ、聞かなきゃよかった。
1人でなにやってるんだろ、恥ずかしい。
先輩からしたら、ただの質問にわたしが落ち込んでたら意味がわからないよね。
「あっ、じゃあ好きな音楽は?」
「んー」
「好きな食べ物とか!」
必死になって他の話を振ってみるけど、どうにも先輩の顔は見られない。
「じゃあ……、」
「うさ子」
どうにか誤魔化そうと口を動かすわたしを、先輩が呼んだ。