【短】恋するうさぎとズルいオオカミ。


今日は朝10時から15時までのバイト。


仕事終わりには、キッチン担当の理人先輩が作ってくれるまかないのオムライスが待っている。


休日には少し遅めのお昼ご飯。

平日の学校終わりのバイトの時には、夜ご飯。


この1年と少し、わたしのエネルギーはほとんど先輩のオムライスで出来ていると言ってもいい。

そう言ったら先輩は「バーカ」と笑ってたけど。


先輩とお喋りしながらオムライスを食べて、最後にお皿を洗って片付けるまでが至福の時。


「うさ子、」

ふわっと、後ろから先輩の匂いがした。


「へっ……!?」

「バカ、袖濡れるぞ」


振り向くまでもなく、後ろから先輩がわたしの手首に触れる。


わたしの制服の袖を器用にくるくると折って、グーっと肘まで水がかからないように上げてくれた。


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