初恋エターナル



チラチラ見てくる店員には目もくれずに、外へ出ると再び冷たい風が吹く。


レジ袋をぷらんぷらんしながら歩き出そうとすると、そばにバイクが停めてあるのが目に入った。


大きな黒色のバイク。


そのバイクには、背を向けて金髪の男の人が寄りかかっている。


その少し小さな背中には見覚えがあって。


「月……くん……?」


思わず名前がぽろりとこぼれた。


どうしよう、違ったらすごく失礼だよね。


何言ってんだこの人、ってなっちゃうよね。


……だが、そんな心配などいらなかった。


「……は?」


ゆっくりと振り返って、私を捉えたのは最近見ていなかった顔。


やっぱり月くんだ。


「え……な、なんでいるの」


驚きのあまり、警戒心丸出しの声を出してしまった。


戸惑っているのは向こうも同じなようで。
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