初恋エターナル



エンジンの音で、あまり月くんの言っていることは聞こえなかったけど。


気づくと月くんはバイクに飛び乗っていた。


5番幹部……?部長……?みたいなこと言ってた気がするんだけど。


なんだかすごく眠くなってきた。


バイクに揺られるのがどうしてか心地よい。


ダメだ、寝ちゃう。


一度、カクンと後ろにのけぞってしまった。


ハッと我に帰ってまぶたをこじ開ける。


危うく死ぬところだった……!


「ばっ……何やってんスか!」


走りながらも月くんにお説教をくらう。


気をつけないと……。


気づいたら家に着いていて。


月くんは気まずそうに私から目をそらしていた。


「月くん……は、誰……?」


聞いてもいいのか、こういうのは。


そう思いながらも、月くんと目を合わせる。


族とか意味わかんないよ。


月くんが危ないなら私にできることならしてあげたいし。


「……俺は」


月くんは下を向いて口を開いたーーーーー。
< 115 / 262 >

この作品をシェア

pagetop