初恋エターナル



「外出てくる」


距離を考え始めて1週間がたった頃。


チラチラと私のことを気にしながらもカヤはいつもどおりだ。


やっぱり私の距離感がおかしかったのかな、と地味に傷つく。


いつものようにバイトから帰ってきてごはんを作っていると、カヤが出かける準備をした。


え、今から……?


見ると、時計の短い針は10を差している。


「うん、わかった」


気をつけて、なんて言える余裕なんてなく。


ただうなずくだけになってしまう。


うぅ、私のバカ……。


音を立てて閉まった扉。


静かな空間が私を包む。


カヤ、私のこと嫌になっちゃったかな。


この空間が嫌になって外出したのかな。


もしこのまま帰ってこなかったりしたら……?


どんどんと思考が悪い方向へ進んでいく。




ーーーーーあぁ……私って、面倒くさいな。




気づけば料理する手を止めていた。


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