初恋エターナル
ただひとつひとつの会話を聞いているだけだった。
盗み聞きなんてよくないってわかってる。
わかってるんだけど……。
気になるものはどうしても聞こえてきちゃうわけで……。
「関係なくねーよ。何、俺に言えねーことでもあんの?勝手に家出て、勝手にテレビで有名になりやがって」
今度は月くんの怒ったような声が聞こえる。
結構大きな声だ。
月くんがあんなに感情的になってるところなんて初めて見た……。
「っは、んなこと俺の勝手じゃん。月、お前だってグレてんじゃん、何やってんだよ」
カヤの声は笑っているけど、きっと全然笑ってない。
苦しそうだ。
「うっせーよ!全部お前のせいなんだよ兄貴!そんなこともわかんねーの?」
少しずつ2人の会話がヒートアップしていく。
カヤは冷静だけど、月くんは今にもカヤに殴りかかりそうだ。
何が……
何が、全部カヤのせいなの?
考えれば考えるほどわからなくなっていく。