初恋エターナル



「っ、お前、俺の気も知らねーのによくそんなこと言えるよな」


ボソッとカヤがつぶやいた。


何があったの……?


どうしてカヤはこんなに悲しい顔をして、月くんは怒ってるの……?


「兄貴の気持ち、全部わかってきたつもりだった!わかったうえでこの話してんだよ!」


ビクッと体が跳ねた。


耳を塞ぎたくなるくらい、辛そうな月くんの怒鳴り声。


あまり大きくはないけど、私の耳にははっきりと届いた。


「なんもわかってねーよ!知らねーくせにーーーーー」


「やめてよ!」


周りに響く、一段と大きな声。


ーーーーー気づくと私は、2人の前に飛び出していた……。


「くるみ……!」


2人が目を見開いて私を見る。


さぁぁっと血の気が引くのを感じた。


……どうしよう、やってしまった……。
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