初恋エターナル
「ん……」
気づくと周りは騒がしかった。
ドタドタとする足音や、ガチャン!と金属の音。
うっすらと目を開けると、白い天井。
あ、あれ……。
「お、起きた」
視界にドアップでうつる、カヤの顔。
「お前よく気絶するよなー」
カヤは苦笑いする。
起き上がって周りを見ると、台所に立つ月くんがいた。
「月、くん……」
静かに名前をつぶやくと、月くんは一瞬固まって、また料理の手を動かし始めた。
無視かな……?
「お前何やってたんだよ、」
見るとカヤは、心配そうな瞳を私に向けた。
そうだ、私、外で寝ちゃって……。
「こんなずぶ濡れなってまでさぁ」
はぁー、とため息をついているのを見て、私が2人にどれだけ心配かけたかを知った。
「その……ごめん」
頭を下げると、そのまま視界がぐわんと揺れた。
あ、これ、熱あるな……。
悟ってしまったからには、冷や汗がタラタラと流れる。
「まだ飯できてねーから、それまで寝とけよ」
カヤは私をもう一度横にならせた。
「作ってるの俺なんだけど」
「この家は俺のなんだけど」
「ちげーだろ」
月くんとカヤの会話を聞いているうちに、また眠りの世界へ引き込まれて行った……。