初恋エターナル
6. バレバレだっつの。作り笑い
カヤside
くるみは静かに眠り始めた。
「……兄貴」
わかってた。
いずれこうやって……弟の月と話さなきゃいけないことは最初からわかってた。
俺が勝手に家捨てたんだ、当たり前だろう。
「説明、しろよ」
月が静かにつぶやく。
その声はどこか怒りを含んでいた。
「……勝手に家出てごめん」
「……」
月は何も言わなかった。
「俺が家出たのは夢があったから……それが、今だよ」
「……今?」
「俺……ずっと俳優になりたかった」
幼い頃から持っていた大きな夢。
そんなのなれるはずないよって何度も言い聞かせられてきた。
だから。
だからこそなりたかったんだ。
誰もがなれないと諦めきっている夢を……自分で叶えたかった。
「俺の家は貧乏だし学費だけで精一杯。だから働こうって思ったんだよ」
「っ、だからって勝手に家出てもいいのかよーー」
「んなことわかってるっつの」
思わず身を乗り出す月の言葉を遮り、話を続ける。