初恋エターナル
そんなあからさまに話題変えなくても……。
少しムッとしながらカヤの隣に並ぶ。
「あーそうだ、俺さ、芸能界戻るわ」
「へーそうなんだ!………………え!?」
サラリとすごいことを言ったカヤ。
芸能界……戻るの……?
頭の中が軽くパニックになる。
芸能界に戻ったら、私と会えないんじゃないの?
芸能界に戻ったら、この家出ていくんじゃないの?
芸能界にもどったら……!
その先のことを考えてしまって、思わず手が止まる。
「まあしばらくは俺の家マスコミでいっぱいだと思うから。……ここいるわ」
「バレるなよな」
いつのまにか起き上がっていた月くん。
台所の横に立っていた。
「俺に帽子とマスクとサングラスあれば余裕だっつの」
不敵に笑うカヤ。
……月くんと、ちゃんと話したんだね。
「よかった……」
カヤがこの家から出て行かないのと、カヤと月くんがちゃんと話したことへの安堵感で、思わず本音がこぼれる。
「……さんきゅーな」
カヤは、私に優しく微笑んだ。