初恋エターナル




「……知ってるだろうけど俺ら兄弟」



「……うん」



ミニテーブル。



小さなミニテーブルを囲んで私たちは、正座をしていた。



「詳しいことはどうでもよくて、まあ俺たちは話し合ったからもう大丈夫なんっスよ」



「そうなんだ、よかったね」



「盗み聞きはよくねーけどな!色々ありがとうな」



うっ……。



正論を言われて押し黙る。



そうだ、私がケンカはダメ!なんて言える立場じゃないんだよね。



盗み聞きしてたんだから。



「ま、そんな感じ」



俺帰るっス、そう言って立ち上がる月くん。



「月くん!ごめんね泊まってもらっちゃって」



「いえ、全然っス。助かりました」



「……また来いよな、ウチに」



「兄貴の家じゃねぇだろ」



クスッと笑って玄関の扉に手をかける。



「あーそうだ、大咲先輩」



何かを忘れたように振り向く月くん。



「何か忘れたりしーー……」



月くんが、私の耳元で笑った。



「じゃ、また」



ご機嫌な様子で月くんは出て行った。



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