初恋エターナル
「ん……ごめん、もう大丈夫」
そんなことを言い始めてかれこれ数十分。
カヤはいつまでたっても私を離さない。
私を足の間に座らせて後ろから抱きしめる形になっている。
「……もうちょっと」
カヤは甘えるように肩に顔を埋めた。
まるで猫みたい。
「でももうすぐ仕事行くんでしょ?早く準備しなよ」
「休む……マネに電話かけるわ」
「え、ちょ……」
まさかそんなところまでするなんて……と思ってカヤからスマホを取り上げる。
「仕事はちゃんと行ってよ……私は大丈夫だし」
「俺がお前のこと不安にさせてんだよ、もう離さねぇ」
カヤは少し強く私を抱きしめた。
顔に熱が集まる。
「それに俺ら……付き合ってんだろ?」
「っ、」
耳元でささやかれてビクッと肩が跳ねる。
そっか……付き合ってるってことでいいんだよね……?
「もーいいじゃん、全部。全部俺のせいにしてさ、どっかいこーよ」
カヤって前からこんなだったっけ……?
甘えてくるというか……この場の空気がすごく甘くて居心地いい。
「ダメだよ、ほら仕事行って。復帰したばっかりでしょ」
「……わかった」
私がカヤの足の間から抜け出すと、カヤは観念したように立ち上がった。
どうやら大人しく仕事へ行ってくれるみたい。