初恋エターナル
「俺と椿ってさ、同期なんだよね」
突然仙道さんが話し始める。
「そうなんですか……」
そもそもカヤが芸能界に入ったのっていつなんだろう。
「で、俺はその頃……高校時代の椿も知ってるわけ」
「はあ」
仙道さんは何が言いたいのだろう。
でも何か仙道さんが真剣に話をしようとしているのは感じ取った。
自然に背筋が伸びる。
「椿からさ……過去について聞いてたり……する?」
「……」
過去……。
この前月くんが言っていた
『また女と遊んでなきゃいいけど』
その言葉がフラッシュバックする。
「いえ……聞いてないです……」
あの言葉は過去のカヤに関係あるのだろうか。
「そっ……か」
少し気まずい沈黙が流れる。
その時だった。
「くるみ!」
大好きで、愛おしくてたまらない。
焦ったように名前を呼ばれた。
君は、いつも気づいてくれるね。
「……カヤ」
カヤだって……私に隠したいこと1つや2つくらいあるよね。
人間だもん。
それでも私は……カヤとの今を楽しみたいから。