初恋エターナル




「なんで……?どうした?」



少し息を切らしたカヤは私に問いかける。



「あ……これ、忘れてたから」



仙道さんがカヤに書類を差し出す。



「浮かれすぎたよ椿……」



仙道さんは苦笑いしながら再び椅子に座った。



「あー、すまん。ありがとな」



カヤはいつものように私の頭をポンポンとなでながら笑いかける。



この笑顔に……どんな過去が隠されていたのだろう。



先ほどからそんな考えがぐるぐると渦巻いている。



「もう忘れないでね」



「ん、さんきゅ」



「目の前でイチャつくのやめてよ椿。俺気まずいんだけど」



仙道さんがそっぽを向きながら苦笑している。



は、恥ずかしい……。



「へいへい……あー、もうすぐ撮影だわ。くるみ、帰るぞ」



やっぱり撮影って恋愛ドラマ……だよね。



仕方ないや、これが仕事だもん。



そう思って帰ろうとした時だった。



「あれ?椿くん、こんなところにいたんだ。突然走っていくからびっくりしたよ」



まるでアニメに出てくるような透き通った声がカヤのすぐ後ろから聞こえた。




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