初恋エターナル
6. カヤの思い。
「カヤ!」
病室の扉を勢いよく開けると、消毒液のにおいが鼻の奥をツンと刺激した。
真っ白なベッドに横たわるカヤの姿。
ベッドの横で腕を組み、目を閉じている仙道さん。
2人が病室にいた。
「あ、くるみちゃん……ごめんね、学校だったのに」
「いえ……」
仙道さんは少し疲れたように笑う。
最近は仙道さんもお仕事が忙しかったのかな。
そう思いながらも、カヤのいるベッドに近づく。
「あの、カヤは……?」
「あぁ、過労なんだって。……がんばりすぎたんじゃないかな、寝れてなかったみたいだしね。今は爆睡してるみたい」
よかった……。
一気に安堵感がどっと押し寄せる。
「よかった……ほんとに……っ!」
込み上げてくる涙を拭いながらその場に座り込む。
……たくさん心配かけて……っ!
「ずっと椿がんばってたよ。……くるみちゃんのために早く帰りたいからって。ずっとそのブレスレット触ってさ」
仙道さんが私のそばでしゃがみ込み、目線を合わせてくれる。
「だからさ、椿が目を覚ましたらたくさん甘やかしてあげてね」
頭をポンっとなでられる。
「あ、もう僕は仕事に行かなきゃね。ここ任せてもいいかな?」
仙道さん、カヤのことよく見ててくれたんだな。
私は立ち上がって、ベッドのそばの椅子に座る。
やはりまだカヤの顔色は悪い。
寝てなかったんだ……。
私がちゃんと休むように言えばよかった。
罪悪感が込み上げてきて、カヤの手を握る。
「カヤ……」
大好きなカヤ。
たとえ由榴さんになんと言われても……。
絶対に離れないーー……。