初恋エターナル

7. 伝えたかったんだ、どうしても。





10月。



部活も引退となり、受験が周りの空気をピリッとさせる季節だ。



カヤとは決して無理をしないという約束で仕事に行ってもらっている。



そんなある日だった。



学校が終わって、校門から出た時。



「くるみちゃん、」



聞き覚えのある、少し低音だけど親しみのある声がそばから飛んできた。



「え……?……っあ、」



校門の近くの塀にもたれかかっている黒ずくめの男の人。



「やあ、……こんなところまでごめんね」

  

数週間前に会った時と同じ少し疲れたように微笑みながら。



仙道さんは軽く右手をあげた。



「仙道さん……?何かあったんですか?」



周りを少し見てから仙道さんに駆け寄る。



仙道さん、疲れてるな……。



「いや、大したことじゃないんだけど」



仙道さんはキャップを深く被り直して、場所を移すよううながした。



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