初恋エターナル
2. カヤの家
とうとう12月に入った。
……私とカヤが出会った月ーー
ちょうど1年前、私たちは出会ったんだよね。
今思い返せば、鮮明に蘇ってくる記憶。
まるで昨日みたい。
あの頃の私、カヤのことやばい人だって思ってたっけな……。
クスッと笑ってしまう。
「……何笑ってんだよ」
と、料理の練習をしているカヤが不審そうに私のことを見つめる。
「なんでもなーい。ほら、切り方下手!」
珍しく料理を教えてほしいと頼み込んできたカヤ。
今まで料理のことなんて未知の世界にいたのに……。
急にどうしたんだろう。
そう思いながらも、今日は2人で簡単なカレーを作っている。
「仕方ないだろ、俺包丁なんて使ったことねーし」
大きさがバラバラなにんじんを見て不貞腐れる。
「じゃあ私と会うまでは何食べてたの?」
「あれ、ほら、吸うやつ」
カヤはわかるだろ?と言ってジェスチャーをして見せる。
わからないよ……。
苦笑いをして頷いておくけど、カヤ本当に料理したことないんだな……。