初恋エターナル
そんなところもかわいいなんて思えるようになってきた。
1年前はカヤのこと、毎日不機嫌だと思ってたのに。
「くるみさ、明日どっか空いてる?」
唐突に話題を提示してきたかと思えば、カヤは包丁を置く。
「え?明日?えーっと……うん、空いてる」
もしかしてどこかに連れて行ってくれるのかな?
少しの期待が湧き上がる。
「おー、わかった。明日俺1日オフ。デート行くから準備しとけな」
デート……!
「わかったけど……カヤ、せっかくのお休みなのにいいの?休んだ方が___……」
するとカヤは、私の言葉を遮って頭に手を置いた。
「ばーか、だから行くんだよ」
ほら、またその表情。
最近、カヤは少し悲しそうに笑うことが多くなった。
何かを抱えているような。
「もう……あんま行けねぇからさ」
そう呟いたカヤの声は外の風の音でかき消された。
「え?なんて……」
「やべ、雨降ってきた。洗濯物取り込むぞ」
たしかに雨の降る音が聞こえている。
「ほんとだ!急がないと!」
バカな私。
カヤのささいな変化に気づいてあげればよかったのに___……。