初恋エターナル
降りるぞ、と言われて半ば強引に電車から降ろされる。
「え……、ここ……」
気づけば高層ビルの立ち並ぶ知らない街に来ていた。
きたことない場所に少しのけぞると、カヤが私の手を掴んだ。
「だいじょーぶだって。ほら、こっち」
カヤは私の手をしっかりと握りながら器用に人並みを避けていく。
やがて、だんだんと大きな建物に近づいていく。
「あそこ」
と、ふいにカヤがその建物をきょろっとした表情で指を指した。
「え・・・・・・?」
あれがどうかしたのだろうか、そんな感情を込めてカヤを見つめると、カヤはふわっと笑って「俺ん家」と呟いた。
一瞬、カヤの行ったことが飲み込めなくて固まってしまう。
カヤの家・・・・・・?
理解した途端、ぶわっと驚きがこみ上げた。
あ、あの高い建物が・・・・・・
カヤの家・・・・・・!?
「驚きすぎだっつの」
ふっと笑うと、カヤは自分の前髪を軽くかきあげて、サングラスを外した。
眩しい光を発している太陽がカヤのアーモンド色の瞳に反射して、深くにもキュンとしてしまう。